このページの要点
- 通いはじめの目安は最初の歯が生えた生後6か月頃から。1歳半健診の前後がひとつのきっかけになります。
- 6歳臼歯(第一大臼歯)は一生使う歯で、最もむし歯になりやすい歯です。生えた直後の数年間の管理で将来が変わります。
- 乳歯のむし歯を放置すると、あとから生えてくる永久歯の質や歯並びに影響することがあります。
- 歯医者が苦手なお子さまには、いきなり治療せず見る・触る・練習するという段階を踏みます。
こんなお悩みはありませんか
「これくらいで受診していいのだろうか」という段階でのご相談を歓迎しています。判断に迷うことこそ、専門家に聞いていただきたい部分です。
歯の生えかわりカレンダー(0歳〜13歳)
お子さまのお口は、決まった順番で大きく変化していきます。いま何が起きている時期なのかを知っておくと、心配すべきことと、待っていてよいことの区別がつきやすくなります。
| 時期 | 生えてくる歯 | この時期に起こりやすいこと | ご家庭でのケア |
|---|---|---|---|
| 0歳6〜9か月 | 下の前歯(乳中切歯)が生えはじめる | むずがる、よだれが増える | ガーゼで拭く。歯ブラシに慣れる練習を始めます |
| 1歳1歳〜1歳6か月 | 上下の前歯/第一乳臼歯 | 前歯のむし歯(哺乳・間食との関係) | 仕上げみがきを習慣に。1歳半健診が受診のきっかけに |
| 2〜3歳乳歯列の完成 | 乳犬歯・第二乳臼歯 → 乳歯20本が生えそろう | 奥歯の溝と歯と歯の間のむし歯 | デンタルフロスを開始。おやつの回数を整えます |
| 6歳永久歯のはじまり | 6歳臼歯(第一大臼歯)/下の前歯の生えかわり | 生え際の痛み・歯ぐきの腫れ、6歳臼歯のむし歯 | 最重要期。シーラントとフッ素で守ります |
| 7〜8歳前歯の交換期 | 上下の前歯が永久歯へ | 歯が変な位置から生える(異所萌出)、すきっ歯 | 並びの経過観察。矯正相談の適期です |
| 9〜11歳側方歯群の交換 | 犬歯・小臼歯が入れかわる | 乳歯が抜けない/永久歯が出てこない | 自分みがきへの移行。仕上げみがきはまだ必要 |
| 12〜13歳永久歯列の完成 | 12歳臼歯(第二大臼歯)/永久歯28本 | いちばん奥で磨きにくく、むし歯になりやすい | 本人のセルフケア確立。定期検診を継続します |
※ 表は横にスクロールできます
※ 生える時期には半年〜1年程度の個人差があります。順序が大きく違う、左右差が目立つ、1年以上生えてこないといった場合はご相談ください。
年齢別・当院の関わり方
この時期は治療よりも、歯医者という場所に慣れることが目的です。仕上げみがきのコツ、卒乳や間食との付き合い方、指しゃぶり・おしゃぶりのご相談を中心にお受けします。
奥歯の溝と歯と歯の間にむし歯ができやすい時期です。フッ素塗布とクリーニングを定期的に行い、デンタルフロスの使い方をご家庭にお伝えします。
もっとも手をかけるべき時期です。生えたての6歳臼歯にシーラントを行い、前歯の生えかわりを見ながら、矯正が必要かどうかを判断します。
保護者の手が離れていく時期です。本人が自分のお口に責任を持てるよう、染め出しを使った指導を行います。12歳臼歯のケアもここで身につけます。
6歳臼歯がいちばん大切な理由
6歳臼歯は乳歯の奥に、抜けかわることなく生えてくる最初の永久歯です。乳歯が抜けないため生えたことに気づかれにくく、その間にむし歯が進んでしまうことが少なくありません。
- 噛む力の中心になる歯です。これを失うと、噛み合わせ全体が崩れます
- 生えたては歯質がやわらかく、溝が深いため、生涯でもっともむし歯になりやすい歯です
- いちばん奥にあり、歯ブラシが届きにくい。仕上げみがきでも見落とされがちです
- 完全に生えきるまで1年以上かかることがあり、その間は歯ぐきが被さって磨きにくい状態が続きます
当院では6歳臼歯が見えはじめた時点でシーラント(溝を埋める処置)とフッ素塗布をご提案し、生えきるまでの期間を集中的に管理します。
当院の小児歯科 3つの方針
押さえつけて処置をすると、歯医者そのものが怖い場所として記憶に残り、大人になってから足が遠のきます。急を要する場合を除き、慣れる練習から始めます。
削った歯は戻りません。フッ素・シーラント・クリーニングと、ご家庭でのケアの精度を上げることで、そもそも治療が要らない状態を目指します。
お口の中の写真をお見せしながら、いまどの段階か、次に何が起きるかをご説明します。仕上げみがきで見るべき場所も、その都度お伝えします。
はじめての歯医者さんへの練習
歯科医院に慣れていただくために、いきなり治療には入らず、段階を踏んで進めます。お子さまのペースに合わせるため、進み方には個人差があります。
- 1診療室に入って、椅子に座ってみる
まずは場所に慣れることから。座れたらその日はそれで十分です。
- 2使う道具を見て、触ってみる
何をする道具なのかを説明します。分からないものは怖いものになります。
- 3音を聞く・お水を出してみる
実際に手や爪に当てて、痛くないことを確かめてもらいます。
- 4お口の中を見せてもらう・数えてみる
ここまでできれば、検診とクリーニングに進めます。
- 5クリーニング・フッ素塗布
痛みのない処置から体験し、「できた」を積み重ねます。
- 6必要な処置
できるようになってから、必要な治療に入ります。
当院で行う予防処置
歯の表面を強くし、むし歯になりにくい状態にします。3〜4か月ごとの継続が効果的です。
6歳臼歯などの深い溝を、削らずに樹脂で埋めます。汚れがたまる場所を先に塞ぐ処置です。
磨き残しを色で見える化し、お子さま本人と保護者の方の両方にお伝えします。
甘いものの量より、口に入る回数が問題になります。生活に合う形をご提案します。
ご家庭で落としきれない汚れを、専用の器具で取り除きます。
毎回同じ担当が見ることで、お子さまも安心し、小さな変化にも気づけます。
※ 実際に導入されている処置・器材に合わせて差し替えてください。院内の写真を添えると信頼性が上がります。
費用の目安とリスク・副作用
お子さまの歯科治療の多くは健康保険が適用されます。以下は3割負担の場合の目安です。
| 処置 | 区分 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 初診・検査(レントゲン含む) | 保険 | 約 1,000〜3,000円 |
| フッ素塗布(むし歯予防管理として) | 保険 | 約 500〜1,500円 |
| シーラント(1歯) | 保険 | 約 500〜1,000円 |
| 乳歯のむし歯治療(1歯) | 保険 | 約 1,000〜3,000円 |
| クリーニング・ブラッシング指導 | 保険 | 約 1,000〜2,000円 |
| フッ素塗布(自費でのご希望の場合) | 自費 | ○,○○○円(税込) |
※ 表は横にスクロールできます
- フッ素塗布のあと30分程度は、飲食やうがいを控えていただきます。
- フッ素塗布は1回で効果が続くものではなく、定期的な繰り返しが必要です。
- シーラントは咬む力や時間の経過で外れることがあります。定期検診での確認が欠かせません。
- シーラントを行った歯もむし歯にならないわけではありません。日々のブラッシングは必要です。
- 恐怖心が強い場合、当日は処置できないことがあります。回数を分けて進めます。
- お住まいの自治体によっては、子ども医療費助成の対象となる場合があります。詳細は受付でご確認ください。
※ 金額は目安です。処置内容・年齢・お口の状態により変動します。確定額は診察時にご説明します。
よくあるご質問
何歳から通えますか?
最初の歯が生えた生後6か月頃から受診いただけます。この時期は治療ではなく、お口の状態の確認と、仕上げみがき・食生活のご相談が中心です。1歳半健診の前後をきっかけに来院される方が多くいらっしゃいます。
泣いて暴れてしまいます。診てもらえますか?
大丈夫です。当院では押さえつけての処置は原則として行いません。診療室に入る、椅子に座る、道具を触ってみる、といった段階から始めます。ただし強い痛みや腫れがあるなど急を要する場合は、保護者の方とご相談のうえで対応を決めます。
乳歯のむし歯は、生えかわるので放っておいてよいですか?
おすすめできません。乳歯のむし歯が進むと、その下で待っている永久歯の質に影響が出たり、乳歯を早く失うことで永久歯の生えるスペースが足りなくなり、歯並びが乱れる原因になることがあります。また痛みで噛めない状態は、食事や発育にも影響します。
6歳臼歯が生えてきました。何かしたほうがよいですか?
ぜひ一度お越しください。6歳臼歯は溝が深く、生えたては歯質がやわらかいため、生涯でもっともむし歯になりやすい歯です。シーラントで溝を埋め、フッ素で歯質を強くする処置が有効です。生えきるまで1年以上かかることもあり、その間の管理が将来を左右します。
仕上げみがきはいつまで必要ですか?
小学校中学年頃までは続けていただくことをおすすめします。とくに生えかわりの時期は歯の高さがそろわず、6歳臼歯のように奥まった歯はお子さま自身では磨ききれません。当院では、その時期に重点的に見るべき場所を毎回お伝えしています。
フッ素は安全ですか?
歯科医院で用いる濃度と頻度において、むし歯予防のための安全性は確認されています。当院ではお子さまの年齢と体格に応じた量を守って使用します。ご家庭でのフッ素入り歯みがき剤の適量についても、あわせてご説明します。ご不安があれば遠慮なくお申し出ください。
歯並びが気になる方へ
小児矯正は、あごの成長を使える時期があります「八重歯が出てきた」「出っ歯かもしれない」「歯が変な位置から生えた」。こうしたご相談は、成長期のいましか使えない選択肢があります。当院では生えかわりの経過を見ながら、開始すべき時期かどうかをお伝えしています。
このページの監修
院長 山根 清宏2010年 大阪歯科大学 卒業/同大学附属病院 研修医。2011年よりおかぞえ歯科医院に勤務し、2016年あびこ大人こども歯科クリニックへ。2019年より院長。予防歯科と小児歯科を中心に、地域のご家族のお口を継続して管理しています。